この記事の所要時間: 約 3分22秒
愛媛県は『日本で唯一現存天守が2か所ある県』ということを知っていますか?
1つは松山城、そしてもう1つは今回紹介する宇和島城です。
松山城に比べるとあまり知られていない宇和島城ですが、実は松山城とは異なる魅力に溢れています。
重要文化財に指定されている天守はもちろんのこと、自然溢れる登山道、宇和島市指定の有形文化財の「上り立ち門」も見どころです。
さらに伊達政宗の長男「秀宗」と宇和島城との関係も見逃せません。
この記事では実際の登山ルートとともに宇和島城の見どころを紹介します。
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宇和島城の歴史―現存12天守の1つ

ウシオよ。愛媛県には現存12天守が2つあることを知っておるか?
※現存12天守:江戸時代から現存している天守があるお城のことで、日本に12か所存在する。
※現存12天守:江戸時代から現存している天守があるお城のことで、日本に12か所存在する。

もちろん知っているよ!
松山城と宇和島城だよね。
松山城と宇和島城だよね。

さすがじゃな。では宇和島城には行ったことがあるかな?

実はまだないんだ。
タケヨシさん、宇和島城の歴史と見どころについて教えてよ。
タケヨシさん、宇和島城の歴史と見どころについて教えてよ。

よかろう。
見どころは実際に行ってみた時に説明するとして、まずは宇和島城の歴史についてかんたんに説明しよう。
見どころは実際に行ってみた時に説明するとして、まずは宇和島城の歴史についてかんたんに説明しよう。
築城の名人「藤堂高虎」によって建てられる

今の宇和島城が建てられたのは1601年、築城の名人とも呼ばれる「藤堂高虎」(とうどうたかとら)によって建てられたのじゃ。

藤堂高虎といえば、愛媛では水城として有名な今治城を建てた人ね。
他にも江戸城の改築や、京都の二条城の改修にも携わったことで有名よ。
他にも江戸城の改築や、京都の二条城の改修にも携わったことで有名よ。

宇和島城はそんなすごい人が建てたのね!

その通りじゃ。藤堂高虎の手腕が見られるポイントは後ほど紹介するぞい。
伊達政宗の長男「伊達秀宗」がやってくる

そして宇和島城の完成を見届けた藤堂高虎が去った後に、あの伊達政宗の長男「伊達秀宗」(だてひでむね)が1615年に入城したのじゃ。

あの有名な伊達政宗の長男がやってくるなんてすごいね!
何があったのかな?
何があったのかな?

秀宗は名前に「秀」とあるように豊臣秀吉の猶子(ゆうし※今でいう養子のようなもの)だったのよ。
だけど秀吉が関ヶ原の戦いで負けて、徳川家康の時代になってしまったことで、秀宗の立場は悪くなってしまったの。
それで伊達家を継げなくなって、代わりにこの宇和島で伊達家の別家としてスタートすることになったのよ。
だけど秀吉が関ヶ原の戦いで負けて、徳川家康の時代になってしまったことで、秀宗の立場は悪くなってしまったの。
それで伊達家を継げなくなって、代わりにこの宇和島で伊達家の別家としてスタートすることになったのよ。
宇和島伊達家400年の歴史

うむ。そうして秀宗から始まった「宇和島伊達家」の影響で、現代でも宇和島市には「宇和島市立伊達博物館」があったり、2015年には「宇和島伊達400年祭」のイベントが行われたりしておる。

400年も続いているなんてすごいや!

本当に素晴らしいことじゃな。
江戸時代の建物が今なおその姿を残していると思うと感慨深いわい。
江戸時代の建物が今なおその姿を残していると思うと感慨深いわい。

もちろん修理や改修といったメンテナンスがあってのことね。
そういったこともあって宇和島城は昭和25年に天守が国の重要文化財に指定されているわ。
そういったこともあって宇和島城は昭和25年に天守が国の重要文化財に指定されているわ。

なるほど、よくわかったわ。
色々な歴史の積み重ねがあって今の宇和島城があるんだね。
色々な歴史の積み重ねがあって今の宇和島城があるんだね。
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登山道南側―上り立ち門と城山郷土館

それでは宇和島城に向かうぞ。

よーし、いってみよう!

天守までの道のりは2つあって、片方は道が急なのよ。
まずは比較的緩やかな上り立ち門がある南側から行ってみましょう。
まずは比較的緩やかな上り立ち門がある南側から行ってみましょう。

オイラはどっちでも平気だけどね!

じゃあ帰りはそっちの急な道から行ってみたいな。
上り立ち門―宇和島市指定の有形文化財

これがその上り立ち門じゃ。
宇和島市の有形文化財に指定されておって、天守とこの上り立ち門だけが宇和島城で現存の建造物なのじゃ。
宇和島市の有形文化財に指定されておって、天守とこの上り立ち門だけが宇和島城で現存の建造物なのじゃ。

もう1つのルートだとここは通らないから見逃してしまいがちだけど、ここは絶対に見てほしいスポットよ。

すごい古そうな門だけど、いつ頃作られたのかな?

いつ頃からははっきりしていないようじゃが、概ね1,600年代に建てられたようじゃな。
こちらも天守と同じく400年の歴史があるというわけじゃ。
こちらも天守と同じく400年の歴史があるというわけじゃ。

これも400年か~!宇和島城おそるべし!
石垣―植物に囲まれて

ほれ、宇和島城の石垣が見えてきたじゃろう。

立派な石垣ねー。
苔や葉っぱが付いていて、ちょっと独特ね。
苔や葉っぱが付いていて、ちょっと独特ね。

そうなの。宇和島城の城山は珍しい植物の宝庫でもあるのよ。
それだけ戦争や火事に遭っていない証拠ね。
それだけ戦争や火事に遭っていない証拠ね。

お城だけじゃなくて植物も歴史が深いんだね。
城山郷土館―宇和島城の歴史

あら、何か建物が見えてきたわ!

あれは城山郷土館よ。
中には宇和島城や伊達家ゆかりの資料などが展示されているわ。
入場無料だから、ちょっと寄っていくのもいいわね。
中には宇和島城や伊達家ゆかりの資料などが展示されているわ。
入場無料だから、ちょっと寄っていくのもいいわね。

さらにこの郷土博物館は「山里倉庫」(やまざとそうこ)と言って、元々は幕末に建てられた武器庫だったのじゃ。

ここにも歴史のある建物があるんだね!
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天守―歴史的資料とその眺め

さぁ天守が見えてきたぞ!

ほんとね!松山城に比べるとこじんまりとしているけど、立派な天守ね。

こじんまりとしていても立派な現存12天守の1つじゃぞ。
ほれ、あそこに伊達家の家紋「九曜紋」が見えるかの?
ほれ、あそこに伊達家の家紋「九曜紋」が見えるかの?

あれね!
ここでもちゃんと伊達家とのつながりが分かるんだね!
ここでもちゃんと伊達家とのつながりが分かるんだね!

そうよ。他にも外観には色々な装飾があるからじっくりと眺めるといいわ。
さぁ天守の中に入って見ましょう。
さぁ天守の中に入って見ましょう。
天守の中―貴重な資料の数々

こちらが天守の中じゃ。宇和島城に関する資料が展示されておる。

見てるだけでワクワクしてくるね!
スタンプ―日本100名城

宇和島城は日本100名城の1つでもあるから、スタンプもちゃんと置いてあるわ。

城めぐりが好きな人は絶対に押して帰らないとだね!

愛媛県にはまだまだ宇和島城の他にも日本100名城があるのよ。
いくつか記事を紹介しておくから城めぐりの参考にしてね。
いくつか記事を紹介しておくから城めぐりの参考にしてね。
今治城 | 日本三大水城【今治城】広大な内堀にサメやエイも現れる藤堂高虎の傑作 |
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湯築城跡 | 【湯築城跡】道後公園内の歴史ある日本100名城!日本最古の湯釜・桜の名所・スタンプなど観光スポット盛りだくさん |
大洲城 | 【大洲城】武将になって旗振りへGO!日本の城ランキング16位に選ばれた魅力に迫る |
天守からの眺め―宇和島市を一望

さぁ天守の一番上についたわよ!

うわーいい眺めだね!
宇和島の街なみが一望できるよ!
宇和島の街なみが一望できるよ!

はっはっは!
やはり天守からの眺めは気持ちがよいのう。
やはり天守からの眺めは気持ちがよいのう。
お堀―五角形の秘密

さて、この宇和島城は別名「鶴島城」と言っての。
「島」と付くように元々は半分海に接していた水城でな。
その堀の形に藤堂高虎ならではの技巧が凝らされているのじゃ。
ウシオよ、城のお堀は普通どんな形になっておるかの?
「島」と付くように元々は半分海に接していた水城でな。
その堀の形に藤堂高虎ならではの技巧が凝らされているのじゃ。
ウシオよ、城のお堀は普通どんな形になっておるかの?

お城のお堀ってだいたい四角いよね。
お堀に面している道路も垂直に交わっているわ。
お堀に面している道路も垂直に交わっているわ。

うむ。その通りじゃ。
じゃがこの宇和島城はなんと五角形をしているのじゃ。
じゃがこの宇和島城はなんと五角形をしているのじゃ。

えぇ?五角形?どういうこと?

先ほど申した通り、当時は海に隣接しておっての。
そうすると敵に攻められた時は、海から船に乗って逃げることになる。
じゃが、お堀が四角形だと海から逃げるのが丸見えになるじゃろ?
そこで藤堂高虎はお堀の形を五角形にしたのじゃ。
海に接しているお堀を2面にすることで死角を作り、どっちから逃げるか分からないようにするというわけじゃ。
そうすると敵に攻められた時は、海から船に乗って逃げることになる。
じゃが、お堀が四角形だと海から逃げるのが丸見えになるじゃろ?
そこで藤堂高虎はお堀の形を五角形にしたのじゃ。
海に接しているお堀を2面にすることで死角を作り、どっちから逃げるか分からないようにするというわけじゃ。

天守にその様子が分かる地図があるわ。
左が築城当時の地図で、右がその後の地図ね。
左が築城当時の地図で、右がその後の地図ね。

それで五角形なんだね。
さすがは築城の名人!
さすがは築城の名人!
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登山道北側―険しい道のり

さて、帰りは北側のルートから帰ることにしましょう。

おぉっ、こっち側は段差がすごい急だね!

自然もすごい豊かで、山登りみたい!

そうじゃろう。これもまた宇和島城の魅力と言えよう。
井戸―深さは11メートル!

これは井戸かな?

うむ。これは井戸じゃな。
案内によると、ここを井戸丸といい有事の時のために厳重に管理されていたとある。
井戸の深さは約11メートルもあるようじゃ。
案内によると、ここを井戸丸といい有事の時のために厳重に管理されていたとある。
井戸の深さは約11メートルもあるようじゃ。
桑折氏長屋門

やっと着いた!
けっこうハードな道だったね!
けっこうハードな道だったね!

いい運動になったわね。
足腰に自信がある人は北側の登山道もいいわね。
足腰に自信がある人は北側の登山道もいいわね。

そうじゃの。ワシにはちいとキツかったわい。
ちなみにこの北側の登山道入り口には「桑折氏長屋門」(こおりしながやもん)がある。
宇和島藩の家老である桑折氏の屋敷にあったものを移築したのじゃ。
ちなみにこの北側の登山道入り口には「桑折氏長屋門」(こおりしながやもん)がある。
宇和島藩の家老である桑折氏の屋敷にあったものを移築したのじゃ。

おーこの門も立派だね!

北側から登る場合はこの門が入り口になるんだね。
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一口城主―あなたも城主になれる!

以上で宇和島城の紹介は終わりじゃ。
歴史溢れるお城ということがわかったかな?
歴史溢れるお城ということがわかったかな?

うん!よくわかったよ!
これだけ歴史ある建物だから、もっと多くの人に知ってもらいたいね。
これだけ歴史ある建物だから、もっと多くの人に知ってもらいたいね。

そんなウシオちゃんに「一口城主」を紹介するわ。
宇和島市の取り組みで、1口5,000円で城主になることができるのよ。
城主になると城主証明書がもらえたり、ホームページに名前を載せることができるわ。
ふるさと納税制度が適用されるのもポイントね。
詳しくは宇和島市のホームページを見てちょうだい。
宇和島市ホームページ―「宇和島城一口城主」を募集します!
宇和島市の取り組みで、1口5,000円で城主になることができるのよ。
城主になると城主証明書がもらえたり、ホームページに名前を載せることができるわ。
ふるさと納税制度が適用されるのもポイントね。
詳しくは宇和島市のホームページを見てちょうだい。
宇和島市ホームページ―「宇和島城一口城主」を募集します!

僕も城主になってみたいな~
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詳細情報

最後に宇和島城の詳細情報を紹介するわ。
まず基本情報は下記の通りよ。
門自体は朝6時から空いているから朝早くに行くのもおすすめよ。
まず基本情報は下記の通りよ。
門自体は朝6時から空いているから朝早くに行くのもおすすめよ。
住所 | 〒798-0060 愛媛県宇和島市丸之内1 |
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電話番号 | 0895-22-2832 |
営業時間 | 【開門】6:00~18:30(10~3月は17:00まで) 【天守・郷土館】9:00~17:00(10~3月は16:00まで) |
入場料 | 天守:大人200円(中学生以下無料) 郷土館:無料 |
休館日 | 天守:無休 郷土館:月曜日 |
駐車場 | あり(1時間100円) |
ホームページ | 宇和島市ホームページ―宇和島城(城山)について |
アクセス

次にアクセスを紹介するよ。
JR宇和島駅から宇和島城の北側登山道入り口までは歩いて15分くらいよ。
歩くのが大変な時はタクシーを使うのをおすすめするわ。
車の場合は松山自動車道の宇和島朝日インターを降りて10分くらいね。
こちらも地図を貼っておくわ。
JR宇和島駅から宇和島城の北側登山道入り口までは歩いて15分くらいよ。
歩くのが大変な時はタクシーを使うのをおすすめするわ。
車の場合は松山自動車道の宇和島朝日インターを降りて10分くらいね。
こちらも地図を貼っておくわ。
駐車場

駐車場は北側登山道入り口近くの市営駐車場が便利よ。
料金は1時間100円ね。
南側から登りたい時も車をここに停めて行くといいわ。
料金は1時間100円ね。
南側から登りたい時も車をここに停めて行くといいわ。
Googleストリートビュー

最後にストリートビューを貼っておくよ。
天守までの登山道も見られるから、一度見てみるといいわ。
天守までの登山道も見られるから、一度見てみるといいわ。