愛媛県喜多郡内子町にある「内子座」の魅力を紹介。
建てられたのはなんと100年前の大正時代!しかも今なお現役の芝居小屋です。
様々な時代の波に揉まれながらも、地元の方々に支えられ、2015年に国の重要文化財に指定されました。
この記事ではそんな内子座の歴史と見どころ、アクセスを紹介します。
※2023年5月時点の情報です。
100年の歴史
大正時代から100年続く「内子座」は、今も現役の芝居小屋で、歌舞伎等の演目が行われています。
歴史を感じる建物から、時代の風情が溢れています。
そもそもなぜ、この「内子座」は建てられたのでしょう?
内子座は、1916年(大正5年)に大正天皇の即位を祝って、地元内子町の有志によって建設されました。
当時は歌舞伎や人形芝居をやったり、映画を上映したりして、地元の人々の娯楽の場となっていたようです。
そんな内子座も時が経つに連れて施設は老朽化。
ついには取り壊されようとしていたのですが、そこでもやはり地元民の「まちづくりに活用すべき」といった要望があり、本格的な復元を行い、見事復活しました。
今では内子の町並み保存地区と合わせて内子町を代表する観光施設となっており、2015年には国の重要文化財にも指定されています。
歴史を感じる舞台装置~舞台・奈落・すっぽんと花道
それでは、内子座内観について詳しくお伝えしていきますね!
木造2階建てで、内部は伝統的な和風芝居小屋のつくりです。
中は広く、今もしっかりと手入れがされています。
内子座の中は自由に歩いて見学できます。
舞台に上がることもできるし、客席に座ってみることも可能です。
舞台~役者気分を味わって
舞台の様子をご紹介します。
回り舞台や、花道、枡席、楽屋は、当時の建築技術が集められた建築物だそうです。
法被(ハッピ)を着用し、歌舞伎役者を味わうことができます。
記念撮影にはぴったり!
思い思いのポーズを撮るのも楽しそうです。
ちなみにこの舞台は「回り舞台」の仕掛けが施してあり、床に円形の溝が見えます。
回り舞台は主に歌舞伎での場面転換に使われ、コマをヒントに作られたそうです。
奈落(ならく)~舞台下の秘密
こちらが舞台の地下、すなわち「奈落」(ならく)です。
「奈落」とは仏教において地獄を意味する言葉で、ご覧の通り暗くて深い所にあることから、地獄を連想する場所と言われています。
回り舞台の仕掛けは、棒を人が押して回していたとされ、人力で動くようになっています。
すっぽんと花道~観客を楽しませる仕掛け
これは「すっぽん」と呼ばれる仕掛けです。
「すっぽん」とは花道の付け根にあるセリのことで、
この仕掛けが上下するので、上から見ればどういう仕掛けかよく分かります。
これが上から見た「すっぽん」です。
ここに人が乗って役者が上がってきたり、あるいは突然姿を消したりします。
幽霊や妖怪が突然現れるシーンなどでよく使われます。
その様子がスッポンが首を出す様子に似ていることから「すっぽん」と呼ばれるようになりました。
そして、すっぽんのあるこの通路が「花道」(はなみち)です。
内子座ではこの花道も自由に歩けます。
日本伝統の客席~枡席・大向
次は内子座の客席を見てみましょう。
枡席(ますせき)~座って舞台を見てみよう
これは「枡席」(ますせき)と呼ばれるもので、日本の伝統的な客席です。
1人で座るのではなく、通常一枡あたり4人~6人くらいが座り、よく見ると大きさの違う枡があります。
内子座は今も現役の芝居小屋としても使われます。
実際にこの枡席に座って演劇を見ることも可能です。
大向(おおむこう)~昔の常連席
最後に2階に上がって、2階から内子座の中を眺めてみましょう!
2階から見ると、また迫力があります。
そして2階の舞台正面の客席を「大向」(おおむこう)と呼びます。。
大向とは舞台から最も遠い客席で、それゆえに安価でした。
安価であったために常連の客はここに座ることが多く、そんな常連の客をもうならせるほどの素晴らしい演技、という意味で「大向をうならせる」と言われています。
当時の常連客はここに座って演劇を楽しんでいたのですね。
内子座で文楽を楽しもう
内子座では月に1回程度、イベントが行われています。
歌舞伎や狂言、地元の発表会など、今でも色んな用途で使われています。
中でも『内子座文楽』として毎年8月中旬に定期的に行っている公演は要チェックです。
内子座のイベントスケジュールは、内子町のホームページでチェックすることができます。
https://www.town.uchiko.ehime.jp/site/uchikoza/
過去には立川談春の独演会や、歌舞伎役者の中村勘九郎、中村七之助が公演をしたこともあります。
公演がなくても見学のみも可能です。
見学のみの場合でも、内子町ホームページをチェックしてからお出かけしてくださいね。
詳細情報
内子座の詳細情報について紹介します。
住所・電話番号・入場料などの基本情報は下記の通りです。
住所 | 〒791-3301 愛媛県喜多郡内子町内子2102番地 マップをみる |
---|---|
電話番号 | 0893-44-2840 |
開場時間 | 9:00~16:30 ※公演時には入館できない場合あり |
休業日 | 12月29日~1月2日 |
入場料 | 大人 400円 小・中学生 200円 幼児 無料 |
駐車場 | あり/8台(無料) |
ホームページ | https://www.town.uchiko.ehime.jp/site/uchikoza/(内子町HP) https://www.we-love-uchiko.jp/spot_center/spot_c2/(内子さんぽHP) |
https://ja-jp.facebook.com/uchikoza |
公演を見に行きたい場合は、公演によって料金が異なるので注意してください。
内子座の中にはトイレも完備されているので、お子さんと一緒に来ても安心です。
アクセス
続いて内子座のアクセスを説明します。
内子座は、JR予讃線の内子駅から徒歩10分のところに位置します。
車の場合は松山自動車道の内子・五十崎インターを降ります。
駐車場
駐車場は内子座付属の駐車場が便利ですが、停められる台数が少ないので注意してください。
満車の場合は「内子まちの駅Nanze」(なんぜ)を利用するのがおすすめです。
▼内子座駐車場
▼内子まちの駅Nanze
内子座は、令和5年度より、耐震補強を含めた改修工事を予定していましたが、その開始時期を再検討中ということで、令和5年度は、通常会館し、見学や貸館もできるそうです。
詳細についてはこちらをご覧ください。