松山観光

道後温泉に2つの伝説あり?現存する道後温泉本館の起源に迫る!2023年最新・工事情報あり

2023年12月15日

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道後温泉本館2

要チェック!


愛媛県松山市にある道後温泉は、日本で最も古いと言われる有馬温泉、白浜温泉と並ぶ日本三古湯の一つで、約3000年もの深い歴史を持っている温泉です。

古くは聖徳太子や正岡子規、夏目漱石など歴史上有名な人も数多く入浴してきました。

この温泉の起源とされる玉の石の伝説、そして白鷺伝説という2つの伝説が残されています。

また1894年に建てられた道後温泉本館は、斬新なデザインで現在も道後温泉のシンボルとして存在します。


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道後温泉本館の工事はいつまで?工事しながら営業中

現在は「霊の湯」のみ営業中

本館 正面

2021年7月15日から、入口を東入口に変更し、「霊の湯」のみの営業となっています。

本館 入口

神の湯と2階・3階休憩室は休止中です。

本館 外観

又神殿の観覧が可能

又神殿は、歴代の皇室の方々が訪れた歴史ある浴室。

この又神殿の観覧ができます。

所要時間は約15分。

なかなか見ることのできない重要文化財を観覧してみませんか?

又神殿観覧の案内板

保存修理工事期間は令和6年(2024年)12月までですが、令和6年(2024年)7月中にそのほかの入浴コースの営業を再開する予定です。

松山市HP

※2023年12月4日時点の情報となります。


道後温泉について

日本で最も古いと言われる有馬温泉、白浜温泉と並ぶ日本三古湯の一つで、約3000年も前からある温泉道後温泉

道後温泉本館 正面の写真(写真提供:Yumiko Tamai様

今回は、この「道後温泉」の3000年もの歴史について、ご紹介します。

起源とされる「玉の石の伝説」

正面から見た玉の石(写真提供:Yumiko Tamai様

この石は玉の石といい、道後温泉の起源とされる言い伝えが残されている石です。

玉の石 看板(写真提供:Yumiko Tamai様

神話の時代、大国主命と少彦名命が出雲の国から伊予の国へと旅していたところ、長旅の疲れからか少彦名命が急病に苦しんだ。大国主命は大分の「速見の湯」を海底に管を通して道後へと導き、小彦名命を手のひらに載せて温泉に浸し温めたところ、たちまち元気を取り戻し、喜んだ少彦名命は石の上で踊りだしたという。

道後温泉(玉の石) 地図 - 風水パワースポット検索

玉の石の上部にはくぼみがありますが、それは少彦名命が石の上で舞い踊った跡だと言われています。

今では、道後温泉本館の北側に大切に奉られています。

ひしゃくと玉の石(写真提供:Yumiko Tamai様

また、この石はパワースポットとして人気で、右側にあるひしゃくで石の上に湯をかけ手を合わせ拝めば、無病息災や商売繁盛などの御利益があるとされています。

もう一つの起源となった「白鷺伝説」

道後温泉の起源とされる言い伝えは、玉の石だけではありません。

それは、「白鷺伝説」という言い伝えです。

白鷺伝説 (写真提供:Yumiko Tamai様

もうひとつ、道後温泉の起源となったお話があります。これも大昔のお話しです。
道後の山里に、足の傷ついた白鷺が毎日舞い降りていました。それを見た村人が、鷺の降りる所に何があるのだろうかと行ってみると、岩の割れ目から湯が湧き出ていました。白鷺はその湯に、傷ついた足をひたしていたのでした。白鷺が何日かそれを繰り返したのち、傷は全く癒えて元気になりました。この話はまたたく間に人々に広がり、やがて大勢の人がその湯に入るようになったということです。

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道後温泉本館 白鷺(写真提供:Yumiko Tamai様

今ではこの白鷺は、道後温泉のシンボルとして使われています。

聖徳太子も道後温泉に入った

596年には聖徳太子が病気の治療のために、僧恵慈や葛城臣達と道後温泉に滞在していた時道後温泉に入ったといわれています。

聖徳太子道後温泉碑聖徳太子ゆかりの地 道後温泉より

病気療養のため道後温泉に滞在したことが伊予国風土記逸文に記されている。皇子は伊佐爾波の岡に登り、風景と湯を絶賛し、記念に碑文を遺したとされる(伊予湯岡碑)。しかし今日までその現物は発見されておらず、道後温泉最大の謎とされている。14世紀に河野氏が湯築城造営の際に持ち去ったという説もある。椿の湯の南側の緑地にその模様を記した碑が建立されている。

道後温泉 - Wikipedia

椿の湯 看板(写真提供:Yumiko Tamai様

14世紀に河野氏が持ち去ったという説はありますが、定かではありません。

復元された石碑は、椿の湯前(愛媛県松山市道後湯之町19-22)にあります。


斬新なデザイン!道後温泉本館完成

明治27年(1894年)には、温泉街の中心部に斬新なデザインを持つ建物として約20ヶ月の時間と、総工費13万5千円(当時の価格)をかけて道後温泉本館が建てられました。

道後温泉本館2(写真提供:Yumiko Tamai様

1890年、道後湯之町の初代町長として伊佐庭如矢(いさにわゆきや)が就任した。この頃、町の最大の懸案は、老朽化していた道後温泉の改築であった。
伊佐庭は町長就任に際して、自らは無給とし、その給料分を温泉の改築費用に充てることとした。総工費は13万5千円。当時の小学校教員の初任給が8円といわれた時代で、あまりに膨大な予算に町民は驚き、町の財政が傾きかねない無謀な投資だと非難が渦巻いた。反対運動は激しさを増し、伊佐庭が命の危険を感じるほどであったが、伊佐庭は決定を貫き通した。

道後温泉本館 - Wikipedia

当時、小学校の教員の初任給が8円だったことを考えると、莫大な費用がかかったと言えますね。

今ではこの道後温泉本館は、道後温泉のシンボル的存在となっています。

道後温泉本館に関する情報は、下記の記事もご覧ください。

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道後温泉本館の前
【改修工事前に急げ!】千と千尋の神隠し・油屋のモデル「道後温泉本館」

道後温泉における歴史の流れ

最後に道後温泉に関する歴史の流れを、年代別で簡単に下の表にまとめました。

西暦年代 道後温泉に関する事項
596年 聖徳太子、伊予温泉に来浴される
639年 舒明天皇、道後に行幸される
661年 斉明天皇、道後に行幸される 熟田津の歌がつくられる
713年 山部赤人、伊予の湯に来て歌を詠む
1288年 一遍上人、道後の奥谷宝厳寺に留まる 湯釜の宝珠に六字の名号を書いたと伝う
1531年 河野太郎通直、道後温泉の湯釜に銘文を刻する
1562年 河野通直、入浴規定を定め、石手寺の僧に便宜をはかる
1614年 地震のため、温泉の湧出とまる
1625年 地震のため、温泉の湧出とまる
1635年 松平定行、松山城主として入部する
1638年 松平定行、道後温泉の諸施設の充実をはかる
1644年 雲厳、「豫州道後温泉記」成る
1674年 入浴規定が公布される
1680年 入浴規定が公布される
1682年 俳人 岡西惟中、来浴する
1685年 俳人 大淀三千風、来浴する
1685年 地震のため、温泉の湯がにごる
1694年 松山藩主 松平定直、馬湯を改築する
1702年 松山藩主 松平定直、神の湯を改築する
1702年 僧 曇海、「玉の石」という入浴案内書を、編集する
1707年 大地震のため、温泉の湧出とまる
1708年 再び湧出しはじめ、一般の入浴を許す
1708年 「道後温泉之記」、はじめて板行される
1712年 真柳玄昌、「道後温泉不在冷気論」を著わす
1718年 入浴規定が公布される
1741年 入浴規定が公布される
1742年 湯祈祷が行われる
1751年 洒風軒 村山一志、道後温泉の句を集め、刊行する
1795年 小林一茶、来浴する
1801年 杉山熊台 「伊豫国道後温泉記」成る
1821年 十返舎一九、道後温泉の実況を描く
1823年 近藤篤山、来浴する
1824年 頼春風、来浴する
1829年 頼杏坪、来浴する
1832年 徳島藩主 蜂須賀斉昌、道後に来浴する
1854年 大地震のため、温泉の湧出とまる
1855年 再び、湧出しはじめる
1862年 緒方洪庵、入浴する
1863年 九月 魚群、「温泉記」成る
1872年 道後温泉、一・二・三の湯が二層楼に改築される
1875年 原泉社を結成して、温泉の経営をする
1878年 新湯が落成する
1886年 服部南郭の伊予国温泉碑を建てる
1890年 伊佐庭如矢、道後湯之町初代町長となる
1892年 養生湯が改築され、松湯・薬湯が新設される
1894年 伊佐庭如矢初代道後湯之町町長、道後温泉本館を改築。現在の三層楼となる
1895年 正岡子規・夏目漱石、入浴する
1896年 夏目漱石・高浜虚子、入浴する
1899年 霊の湯および又新殿が新築落成する
1903年 道後温泉震災復旧五十年記念祭が開催される
1903年 皇太子 嘉仁親王(大正天皇)来県され、温泉に入浴せられる
1905年 陸軍療養地となる
1905年 日露戦争によるロシア兵捕虜も入浴する
1909年 伊藤博文、来松し温泉に入浴する
1913年 元農商務省技師 河野密、温泉増湯計画に関する調査を行う
1914年 神の湯源泉の増湯に着手する
1914年 又新殿の東北に、新たに新湯を増設する
1916年 農商務省技師 大築洋之助、増湯に関する調査研究を行う
1922年 砂湯・西湯を増設する
1922年 陸軍特別大演習のため、皇太子 裕仁親王(昭和天皇)、来松され道後温泉に入浴される
1923年 国有の温泉敷地が町に払い下げられる
1924年 養生湯を改築する
1927年 ドンコ濛源泉の掘さく工事に着手する
1927年 大衆用として、鷺の湯を開設する
1935年 神の湯を曳移転し、男女二室に改造する
1936年 道後温泉歴史資料展覧会を、開催する
1939年 日本温泉協会学術委員理学博士 小林儀一郎、増湯に関する調査を行う
1939年 当局 小林博士の調査に基づき、公会堂前を掘さくする
1940年 道後公会堂前に、第二号源泉ボーリング成功する
1941年 再び小林博士、源泉調査を行う
1942年 第三号源泉ボーリング成功する
1943年 東京帝国大教授理学博士 加藤武夫、掘さく予定地の調査を行う
1945年 アメリカ軍先遣部隊、松山に進駐し、霊の湯・神の湯の一部・道後公会堂を接収する
1946年 南海地震のため、温泉の湧出とまる
1947年 温泉の湧出はじまり、入浴を再開する
1949年 アメリカ進駐軍、霊の湯を返還する
1950年 天皇来県し入浴される。湯祈祷を、温泉まつりと改称する
1950年 古い湯釜を振鷺園から道後公園内に移し、湯釜薬師と呼ぶ
1953年 「椿の湯」を開設する
1954年 湯釜薬師が県指定文化財となる
1956年 新源泉の湧出による配分施設完成、各旅館の内湯を実現する
1964年 温泉センター開業する
1966年 財産区が廃止され、市の公営企業会計として運営される
1966年 本館3階に、「坊っちゃんの間」開かれる
1966年 大正5年の湯釜修理附属出土品が、市指定文化財となる
1966年 宝暦10年(1760)乾厳の「伊予国道後温泉記」、明月上人の道後温泉詩巻、江戸後期の道後温泉絵図が、市指定文化財となる
1968年 市の特別会計として運営される
1984年 椿の湯を改築する
1994年 明治27年改築の神の湯棟が、築後百年となり、「本館建設百周年記念事業」実施
1994年 道後温泉本館が、国指定重要文化財となる
1996年 振鷺閣の刻太鼓が、環境庁(当時)の残したい「日本の音風景100選」に選定される
2000年 道後温泉本館総合診断の実施
2001年 市職員による「道後温泉本館保存修復検討会」の開催
2002年 学識経験者を含む「道後温泉本館保存修復計画検討委員会」の開催
2003年 本館を火災などから守るため、全館禁煙とする
2003年 愛媛県条例の改正を受け、入浴客の安心・安全を最優先に、塩素系薬剤による消毒を始める
2004年 「道後温泉本館保存修復計画検討委員会」より、松山市長へ中間報告がなされる
2004年 平成15年施行された「健康増進法」を受け、椿の湯を館内禁煙とする
2014年 道後温泉本館改築120周年を記念し「道後オンセナート 2014」開催
2015年 松山市道後温泉活性化計画審議会から「道後温泉活性化計画」と「道後温泉地域における総合的な対策」についての市長答申を受ける
2015年 「道後温泉活性化計画」と「魅力向上・賑わい創りの総合的な対策」を策定する
2015年 「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」開催
2016年 「街歩き旅ノ介 道後温泉の巻」山口晃 道後アート2016の開催
2016年 松山市道後温泉活性化計画審議会から「道後温泉本館工事計画の基本方針」についての市長答申を受ける
2017年 「道後オンセナート2018」プレオープン
2017年 道後温泉別館 飛鳥乃湯温泉がオープン
2017年 天皇皇后両陛下が来県され、道後温泉本館をご視察になる
2017年 秋篠宮同妃両陛下が来県され、道後温泉本館をご視察になる
2017年 秋篠宮同妃両陛下が来県され、道後温泉本館をご視察になる
2017年 第4分湯場を改築する
2017年 椿の湯が改修、道後温泉別館 飛鳥乃湯温泉がグランドオープンする
2018年 「道後オンセナート2018」グランドオープン
2019年 「空の散歩道」リニューアルオープン、足湯を整備
2019年 道後温泉本館の保存修理工事を開始

歴史 松山市ホームページ

このように様々な出来事を経て、現在の道後温泉があります。

関連情報

道後温泉 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%93%E5%BE%8C%E6%B8%A9%E6%B3%89

歴史 松山市ホームページ
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kanko/kankoguide/kankomeisho/dogoonsen/rekishi/rekishi.html

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