愛媛県民なら知らない人はいないであろう「石鎚山」(いしづちさん)。
愛媛県西条市〜久万高原町の間にあります。
標高は1,982メートルあり、愛媛はもちろん西日本でも一番高い山です。
昔から修行の場として有名で、日本七霊山の一つに数えられており、今でも信仰の対象となっています。
愛媛県では唯一の「日本百名山」でもあり、2018年に「四国八十八景」にも選ばれています。
さらにふもとにある面河渓と合わせて「日本百景」にも選ばれています!
そんな素晴らしい山ですが、初心者の方が、いざ登ってみようにもコースや道具・服装などと気になることもたくさんあると思います。
この記事ではこれから石鎚山に登ってみたい人に必要な情報をまとめました。
どのコースで登ればいい?なにを持っていけばいいの?実際の登山はどんな感じなの?観光はできるの?
そんな悩みもこの記事を読めばすべてスッキリ!これであなたも安心して石鎚山の頂上を目指せます!
※2024年6月時点の情報です。
石鎚登山~おすすめ準備物
石鎚登山におすすめの準備物をまとめてみました。
必要なものをチェックしてみましょう。
ザック
荷物を入れて背負っても疲れにくく、背中が蒸れにくいザックがおすすめです。
レインウェア
防寒着としても活用できるレインウェアも必須アイテムです。
モバイルバッテリー
緊急時のアイテムとして、携帯電話のもバルバッテリーを持参しましょう。
トレッキングポール
足腰への負担を軽減できます。
携帯トイレ
ティッシュペーパーやタオルも持参しましょう。
その他
- 地図・コンパス
- 絆創膏・湿布・テーピングテープ
- ビニール袋
- 日焼け止め
- 虫除け
- ライター
- エマージェンシーシート
石鎚山とは?~西日本最高峰の霊山
早速、石鎚山にについてご紹介しますね。
石鎚山のここがすごい!
石鎚山の凄さといえば、まずはその高さ。
標高1,982メートルで、愛媛県ではもちろん、西日本で一番高いです。
場所は愛媛県西条市にあり、愛媛県を代表する観光地でもあります。
正確には、最も高い所にある「天狗岳」(てんぐだけ)、「弥山」(みせん)、「南仙峰」(なんせんぽう)の3つを総称して石鎚山と呼んでいます。
そして、石鎚山は高さだけではなく日本七霊山の1つとしても有名です。
これは、山岳信仰といって山を讃える文化が盛んな証拠。
「パワースポット」として知られています。
さらに、「日本百名山」や「日本百景」にも選ばれていることから、その雄大な自然も一見の価値がありますよ!
また、2018年には「四国八十八景」にも選ばれました。
石鎚山の歴史
古くは奈良時代、「役小角」(えんのおづの)という修験道の開祖と呼ばれている人が山を開きました。
その後、かの有名な「空海」(弘法大師)が修行したり、さまざまな時代の天皇や諸大名も信仰したと言われていることから、1,300年以上もの歴史がある山岳信仰が盛んな場所として知られるようになったと言われています。
石鎚山そのものがご神体、いわば神様のような存在となっています。
石鎚山の登山ルートと服装~事前準備が大切
石鎚山への登山を計画した時に抑えておきたいポイントについてご説明します。
石鎚山は、初心者でも登ることができる人気の山ではありますが、「登山ルート」と「服装」だけは押さえておきましょう。
石鎚山3つの登山ルート
主な登山ルートは3種類。
今回は(1)のロープウェイを使ったルートをご紹介しますね。
ちなみに、土小屋ルートは高低差がやや小さく、面河渓ルートは上級者向けとなっています。
主な登山ルート
(2)石鎚山スカイラインを使う土小屋ルート
(3)面河渓から行くルート
ロープウェイを使ったルートは表参道とも呼ばれており、「成就社」(じょうじゅしゃ)や「試しの鎖」、「夜明かし峠」といった見どころが満載となっているので、初めての方にはロープウェイを使うルートがオススメです♪
土小屋ルートでは、これらのスポットは見られないのでご注意ください。
登山用の服装がオススメ
石鎚山への登山をする場合は、登山用の服装で行きましょう。
石鎚山の登山道は整備されていますが、階段や坂道を約3時間(片道)近く登ったり下りたりします。
足元も、岩や木の根っこなどでゴツゴツしているので、しっかりした登山靴を履くようにしましょう。
服装については、汗をかいて暑くなったり、逆に頂上近くなると寒くなったりもするので、重ね着できるように半袖や長袖を組み合わせて持っていくようにしましょう。
また、山の天気は変わりやすいのでレインウェア(雨具)も必須です。
また、後ほど説明する「鎖場」(くさりば)や「天狗岳」に挑戦する場合には、滑らない手袋や靴もあると便利です。
他にも、トレッキングポールや帽子など、あると便利なものはたくさんありますよ!
こちらのサイトを参考にしてみてくださいね。
初心者向け登山のいろは | 石鎚山・石鎚山系公式|石鎚山系連携事業協議会
石鎚山登山スタート~ロープウェイから成就社まで
こちらは、西条市にある石鎚登山ロープウェイ乗り場「下谷駅」(しもだにえき)です。
下谷駅までのアクセスや料金の詳細は、最後にご紹介しますね。
ロープウェイで一気に標高1,300メートルへ
ここでロープウェイの往復チケットを購入します。
ちなみに、モンベルクラブの会員の方はチケット代が少し安くなります。
ロープウェイは、基本的に20分毎に運行されています。
ここでは、季節によって最終の時間が異なるので、ロープウェイの最終発車時間をよく確認しておきましょう。
こちらがロープウェイです。
始発便やハイシーズンは混むことが多いので、時間に余裕を持って計画しましょう。
ロープウェイは、標高1,300メートルまで約8分で登ります。
ロープウェイからの眺望も素晴らしいので、必見ですよ♪
ロープウェイからの眺望が楽しめる動画もあるので、ご紹介します。
こちらは、ロープウェイが到着する「成就駅」(じょうじゅえき)です。
ここからは、いよいよ自分の足で歩いて山頂を目指します。
ロープウェイを降りてすぐには、このような広場があります。
西条市の街も望めますよ!
ここから成就社まで、およそ20~30分登り坂を歩くことになります。
成就社で安全祈願と休憩を。宿泊もできる!
こちらの大きな鳥居が成就社です。
成就社は石鎚神社の中宮で、登山の拠点にもなっています。
鳥居の向こうには山頂が見えます。
こちらで登山の成功と安全をお祈りします。
とても立派な神社です。
お祈りをしたら、こちらでお手洗いを済ませたり、飲み物を買っておくと良いでしょう。
次のお手洗いがある場所までは約2時間かかり、ここからはいよいよ本格的な登山道になります。
ちなみに、こちらで宿泊することも可能です。
「白石旅館」という旅館があります。
下にリンクを貼っておくので、参考にしてくださいね。
https://ishizuchikanko.com/shiraishi_joujusha/
準備が出来たらこの神門をくぐり、先へと進みます。
ここからが本番!石鎚山~成就社から前社ヶ森小屋まで
成就社を出てからは、しばらく下り坂が続きます。
この辺りは「八丁坂」と呼ばれています。
成就社は標高1,450メートルですが、標高約1,000メートルまで一旦下るようになっています。
道中、「登山者の心得」という立て看板が立てられていました。
石鎚山では、山を登る時の挨拶として「おのぼりさん」「おくだりさん」と、声を掛け合う風習があります。
登っている時には、下ってくる人に「おくだりさん」と声をかけると、下ってくる人は「おのぼりさん」と声をかけてもらえますよ。
遥拝の鳥居
こちらは、「遥拝の鳥居」(ようはいのとりい)という、山頂まで登ることができない人が拝むための鳥居です。
裏を返すと、ここからはより道が険しくなるという意味合いになります。
試しの鎖場
こちらが、かの有名な鎖場(くさりば)です。
石鎚山には全部で4つの鎖場があり、この鎖場が最初の「試しの鎖場」となります。
鎖場は、石鎚山の醍醐味の1つではありますが、命綱もなく自分自身の力で登る必要があるので、決して気軽な気持ちで行かないようにしましょう。
迂回道もあるので、無理せず進んでくださいね。
しかもこの試しの鎖場は、上りだけでなく、下りもあります。
鎖の長さは、上りが48メートル、下りが19メートルにも及ぶので、他の鎖場の方が比較的難易度が低いと言えます。
前社ヶ森小屋で一服
こちらは、「前社ヶ森小屋」(ぜんじゃがもりごや)という、山頂までの道のりのだいたい半分の地点にある小屋です。
食べ物や飲み物が販売されているので、休憩するのにおすすめのスポットです。
ちなみに、先ほどの試しの鎖場はここで合流するようになっています。
鎖場の上からの眺めは素晴らしいと評判です。
夜明かし峠の絶景!石鎚山~前社ヶ森小屋から山頂へ
道を進むと、今度は開けた場所に出ます。
夜明かし峠より山頂を臨む
こちらは「夜明かし峠」といい、その昔はここで夜を明かしたと言われています。
山頂までの道のりで一番と言っても良い程、眺めが良い所なのだそう。
正面に見えているのが山頂です。
ちなみに、ロープウェイを使わずに登るルートで登るルートは、ここで合流することになります。
上級者向けのルートとなっています。
石鎚山『一の鎖』
こちらは、一の鎖です。
4つの鎖場のうち、一番短い鎖場(33メートル)なので、初めて鎖場にチャレンジする方におすすめですよ!
もちろん、迂回路もあります。
最後の休憩所・トイレ
この鳥居をくぐった先に、最後の休憩所とお手洗いがあります。
ここでようやく土小屋ルートと合流します。
土小屋ルートは、石鎚山スカイラインを通り、かなり高い所まで車で行けるのが魅力のルート。
帰りは自分のルートを間違えないように注意が必要です。
こちらが休憩所です。
このお手洗いは、管理維持活動の為に100円もしくはクーポン券が必要です。
ここから山頂まで、30分程度で着くことができます。
石鎚山『二の鎖』『三の鎖』
山頂へと進むにつれ、霧が濃くなります。
視界がとても悪くなるので、注意して進むようにしましょう。
山頂に近づくにつれ天気がすぐ変わるので、油断しないようにしてくださいね。
残りの二の鎖場・三の鎖場は、最後の休憩所から山頂までの間にあります。
二の鎖はこのようになっていて、長さは65メートルあります。
それから、三の鎖はこのようになっています。
長さは68メートルともっとも長くなっていますが、終点が山頂なので、素晴らしい達成感を得られますよ!
この階段を登れば、ついに山頂です。
石鎚山・山頂!~天狗岳はよく考えて
いよいよ山頂!
こちらの看板が登頂の証♪
頂上社でお参りをしよう。ご朱印も!
こちらの頂上社でぜひ参拝をしましょう。
頂上社の奥にも鳥居があるので、こちらも忘れないように参拝してくださいね。
そして、この頂上社では、通常の神社同様にご祈祷を受けたり、お守り、ご朱印もいただけます。
例年5/1~11/3までは神職さんが滞在していると言われています。
最高峰は天狗岳
石鎚山は、「天狗岳」(てんぐだけ)、「弥山」(みせん)、「南仙峰」(なんせんぽう)の3つの山の総称です。
頂上社がある場所は弥山(1,974m)で、実は一番高い所ではありません。
一番高い天狗岳(1,982m)は、ポスターなどでおなじみの眺めとなるこちらです。
天狗岳に登ることは可能ですが、天狗岳への道は切り立った山肌の上を進む少々危険な道となっています。
さながらロッククライミングな箇所や、断崖絶壁もあります。
天狗岳への道のりは、このようになっています。
まずは、鎖を使って山頂の広場から下り、狭い岩肌を慎重に進みます。
人が1人しか通れない所が多いので、譲り合いの気持ちが大切です。
それらを超えると、天狗岳の最高峰にたどり着くことができます。
天狗岳の頂上からは、もう1つの山頂である南尖峰(1,982m)を望むことができます。
そして、天狗岳からは弥山を振り返ることもできます。
こちらもまた絶景ですよ!
石鎚山頂上山荘で食事と宿泊ができる
最後に、山頂にある山荘をご紹介します。
頂上に着いてすぐにあるこちらの建物です。
こちらでは、なんとキンキンに冷えたビールや、カレーなどの食事が楽しめます。
もちろん飲み物も売っているので、下山の飲み物を購入することもできます。
そして、この頂上山荘ではなんと宿泊も可能!
料金は、大人1名素泊まりで6,000円~で、毎年1月20日から予約を開始しています。
詳しくは下のリンクをご覧ください。
https://ishizuchisan.jp/mountain/summit/
頂上山荘は例年5月初旬~11月初旬まで営業されています。
宿泊は予約制となっているので、必ず事前に予約をしてくださいね。
石鎚山のイベント~どの季節も見どころ満載!
登山の魅力満載の石鎚山ですが、実は登山以外にも色々と楽しめるイベントがあります。
石鎚山ヒルクライム
最も知られているのは「石鎚山ヒルクライム」。
ヒルクライムとは、山岳地帯で行われる自転車のロードレースです。
詳細は下のリンクをご覧ください。
http://cycle-shikoku.jp/ishizuchi-hillclimb/
スターナイトツアー・もみじ祭り
その他にもスターナイトツアーやもみじ祭りなども行われています。
スターナイトツアーは登山の準備が不要なのが嬉しいですね。
そして、石鎚山がもっとも美しいのはなんと言っても紅葉!
山頂付近の紅葉は、毎年10月上旬から10月中旬頃です。
人気なだけあり、登山者の数もすごいですが、一見の価値はありますよ!
石鎚山お山開き
7月1日~7月10日に行われる「お山開き」もおすすめのイベントです。
この数日間だけ御神像を見ることができる特別な日となっています。
3体ある御神像は、毎年7月1日に、信者の方がおんぶして頂上社の中に納められます。
普段は、見ることや触れることができない貴重な体験ができますよ。
詳しくは、下のリンクをご覧くださいね。
https://ishizuchisan.jp/event/event04/
海賊つうしん。でも、石鎚山のお山開きについてご紹介しています。
石鎚神社(@西条市/観光)石鎚山のお山開き大祭は7月1日から!県内屈指のパワースポット
石鎚登山ロープウェイの基本情報とアクセス
「石鎚登山ロープウェイ」の情報をまとめました。
営業時間がシーズンによって異なるので、しっかりご確認くださいね。
住所 | 〒793-0215 愛媛県西条市西之川下谷甲81 マップをみる |
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電話番号 | 0897-59-0331 |
営業時間 | 【ロープウェイ】季節や曜日により異なるため、詳細はホームページ参照 【リフト】9:00~16:30(4月下旬~11月下旬のみ) ※お山開き大祭期間(7月1日~7月10日)は8:00~16:30 |
休業日 | 【ロープウェイ】なし 【リフト】11月下旬~4月下旬 ※いずれも悪天候の場合は停止 ※定期メンテナンス等により休止する場合あり |
料金 | 【ロープウェイ】 片道:大人(中学生以上)1,200円、小人(小学生以下)600円 往復:大人(中学生以上)2,200円、小人(小学生以下)1,100円 ※愛媛県在住の65歳以上の方は、片道:1,760円、往復:960円 【リフト】 片道:350円 往復:600円 |
URL | https://www.ishizuchi.com/ |
石鎚山へのアクセス
公共交通機関の場合はJR伊予西条駅からせとうちバスでアクセスできます。
時刻表は下のリンクでご確認ください。
http://www.setouchibus.co.jp/
車の場合は、松山自動車道「いよ小松インター」もしくは「いよ西条インター」で降ります。
いずれの場合も、国道11号線を進むと「石鎚登山口」の看板が出てくるので、そちらに従ってください。
途中、黒瀬湖というダム湖があるので、それを目印にすると良いでしょう。
たまに細くなっている所があるので、運転には気を付けてくださいね。
石鎚山の駐車場
石鎚山の駐車場は、有料駐車場となっています。
Googleストリートビュー
駐車場のストリートビューはこちらです。
なんと、登山道もすべてストリートビューで見ることができますよ!
まとめ記事一覧
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