伊予の小京都と呼ばれている愛媛県大洲市。
その大洲市の中でも特に京都を感じさせる「臥龍山荘」(がりゅうさんそう)をご存知ですか?
2011年に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」一つ星を獲得し、国内外から注文を集めているスポットです。
およそ100年前に建てられたその山荘は、日本ならでの建築美や美しい日本庭園を味わうことができます。
大洲市を流れる肱川(ひじかわ)沿いに位置し、山荘からの眺めは日々の喧騒を忘れさせてくれる癒しの時間となることでしょう。
この記事ではそんな趣きたっぷりな「臥龍山荘」(がりゅうさんそう)の魅力を詳しくお伝えします。
臥龍山荘とは?
愛媛県大洲市にある山荘、「臥龍山荘」(がりゅうさんそう)をご存じでしょうか?
見事な建造物と、美しい日本庭園を見ることができる山荘で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星を獲得しています。
少し臥龍山荘の歴史についてご紹介しますね。
臥龍山荘は、河内寅次郎という大洲市の実業家が明治40年に完成させた山荘です。
老後の余生を過ごすために大洲市随一の景勝地である臥龍淵を選び、様々な技巧を凝らして長い歳月をかけて完成させました。
その後、臥龍山荘は大洲市や愛媛県の指定文化財に選ばれ、2016年には3つの建物が国の重要文化財に指定されました。
臥龍院(がりゅういん)~季節を表現した間
門をくぐったらまず見てほしいのがこちらです。
石垣の間から木が出ています。
また、石垣の中に石臼が紛れているところもありますよ!
臥龍山荘には、全部で3つの建物があります。
まず最初に「臥龍院」(がりゅういん)と呼ばれる建物からご紹介しますね。
臥龍院には4つの季節を表現した間があります。
入口は「迎礼の間」(げいれいのま)と呼ばれており、春にあたる部屋です。
入口の頭上には、「花は開く太平の春」と書かれています。
この「迎礼の間」(げいれいのま)は、今でも玄関として、また受付としての役割も担っています。
清吹の間(せいすいのま)
続いて、こちらが「清吹の間」(せいすいのま)です。
その名の通り夏にあたる部屋で、他の部屋よりも風通しがよくなるように作られています。
水をあしらった透かし彫りが見事ですね。
とても涼しげな空間になっています。
壱是の間(いっしのま)
こちらは、秋にあたる「壱是の間」(いっしのま)。
壱是には「すべて」という意味があり、この部屋が臥龍院のメインと言われる場所です。
この部屋の縁側から見える庭園は見事ですよ。
秋には、実際に紅葉を楽しむこともできます。
縁側に座ってじっくりと庭園を眺めることのできる贅沢な空間です。
霞月の間(かげつのま)
最後に、冬にあたるのが「霞月の間」(かげつのま)です。
あえて灰色になっている襖やコウモリの細工が印象的ですね。
冬の寂しさを感じさせる部屋となっています。
随所に細かい工夫が施されています。
以上が臥龍院です。
これだけでも楽しめますが、残り2つの建物もご紹介しますね。
残りの建物には、一度臥龍院を出て庭園を進んで向かいます。
知止庵(ちしあん)~庭園と小さな茶室
こちらは、臥龍院の外の庭園です。
この飛び石といい苔といい、どれも見事です。
お花が綺麗に飾られていて、細部まで癒しの空間になっています。
ぼたん苔
この庭園には、少し珍しい苔も生えています。
「ぼたん苔」と呼ばれていて、育つのに通常100年を要する苔と言われています。
この臥龍山荘は、環境が良いので60~70年で育つようです。
この、色が白くなっている部分が「ぼたん苔」です。
知止庵(ちしあん)
こちらは、2つ目の建物「知止庵」(ちしあん)です。
元々は浴室として建てられたそうですが、後に茶室に改造されました。
中に入ることはできませんが、小さな入口から中を覗き見ることはできます。
「知止」とは「どこで止めるかを知る」という意味合いで、現在の言葉では「何事もほどほどに」という意味合いです。
潜龍洞~氷室(ひむろ)
こちらは、潜龍洞という名の氷室(ひむろ)で、現代の冷蔵庫にあたる場所です。
不老庵(ふろうあん)~崖の上に建てられた庵から肱川を臨む
臥龍山荘の一番奥にある建物が「不老庵」(ふろうあん)です。
崖の上に建っており、臥龍山荘の中で一番見応えのある建物となっています。
それに建物の向こうには肱川が見えますよ。
眼下には肱川、そして正面には冨士山(とみすやま)が臨めて、素晴らしい眺望となっています。
また、こちらでは4月~10月(8月は休み)の日曜日限定で本格的なお茶をいただけます(※別途400円)。
伝統的な建物と絶景とお茶の組み合わせは、とても素敵ですね!
また、弧を描いた天井の形にも注目してください。
この不老庵は、建物を「船」に見立てて作られています。
天井の曲線は、船底の曲線を表しているそうです。
蓬莱山(ほうらいさん)~臥龍の名の由来
臥龍山荘が「臥龍」と呼ばれる由来をご存じでしょうか?
その名前の由来は、対岸から見ると理解できます。
対岸に行くには少し距離がありますが、気になる方は下の地図を参考に足を運んでみてくださいね。
こちらが対岸からの眺望です。
左に見えるのが不老庵、右手に見えるのが蓬莱山(ほうらいさん)という小島です。
対岸からだと不老庵の足場である「懸け造り」がよく見えますね。
臥龍は「龍が臥せる」という意味ですが、右手の蓬莱山がちょうど龍が臥せている(横になっている)姿に見えることから「臥龍」と呼ばれるようになったと言われています。
臥龍山荘に来たなら、山荘だけじゃなく臥龍も一緒に見るのがおすすめですよ。
蓬莱山にも歩いて行くことができます。
時間がある方は、あわせて訪れてみてくださいね。
基本情報~場所・営業時間・アクセスなど
最後に、臥龍山荘の基本情報をまとめておきますね。
観覧料は通常550円ですが、おトクな大洲城との共通券もありますよ。
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住所 | 〒795-0012 愛媛県大洲市大洲411番2 マップをみる |
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電話番号 | 0893-24-3759 |
営業時間 | 9:00~17:00(札止め16:30) |
観覧料 | 【臥龍山荘のみ】大人550円 小人220円(中学生以下) 【臥龍山荘・大洲城】大人880円 小人330円(中学生以下) |
休業日 | なし |
駐車場 | なし/大洲まちの駅「あさもや」の駐車場を利用(無料) |
ホームページ | 臥龍山荘公式サイト |
アクセス~まちの駅「あさもや」を利用しよう
最寄駅はJR予讃線の「伊予大洲駅」ですが、徒歩では約25分かかります。
伊予大洲駅からは伊予鉄南予バス、宇和島自動車バスもしくは市内中心部循環バス(ぐるりんおおず)を利用するのがおすすめです。
伊予鉄南予バス、宇和島自動車バスの場合は「大洲本町」で、市内中心部循環バスは「あさもや前」で降車してくださいね。
それぞれ下記のホームページをご参照ください。
伊予鉄南予バス | 伊予鉄道~伊予鉄南予バス |
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宇和島自動車バス | 宇和島自動車株式会社~大洲野村支線 |
市内中心部循環バス | 大洲市ホームページ~市内中心部循環バス |
車でのアクセスは、大洲まちの駅「あさもや」を利用するのがオススメです。
駐車場は無料で、大洲のお土産を買うこともでき、観光案内所もあります。
「あさもや」へは松山自動車道(大洲道路)の「大洲肱南インター」から数分アクセスできます。
地図~おはなはん通りを歩いて臥龍山荘へ
バス停や「あさもや」から臥龍山荘までは徒歩約5分です。
途中は「おはなはん通り」という江戸・明治の町並みを残した道を通りますが、こちらも風情があって楽しめますよ。
伊予の小京都を感じながら臥龍山荘を目指してくださいね。
Googleストリートビュー
最後にストリートビューをご紹介します。
臥龍山荘の庭園を少し見ることができます。
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